分子科学部門,行木 信一

行木 信一

准教授

NAMEKI nobukazu

分子科学部門

研究KEYWORD

翻訳系,タンパク質合成系,ミトコンドリア,RNA,抗生物質

研究分野

分子生物学

主な研究テーマ

  • 細菌およびミトコンドリアにおける翻訳停滞解消機構の研究
  • 翻訳系を介した抗生物質耐性機構の研究
  • 機能未知遺伝子の機能解明

研究概要

リボソームによる翻訳(タンパク質合成)は,さまざまな理由によりmRNA上で滞る(翻訳停滞)。この停滞を解消できないとリボソームが再利用できなくなり,細胞に致死的影響を及ぼすことが知られている。これを解消しているのが「翻訳停滞解消因子」である。生物種を問わず2種類以上の翻訳停滞解消因子が存在しているが,なぜ複数存在しているのか,その理由は明確ではない。当研究室では様々な生物種(大腸菌,酵母,ゼブラフィッシュ,ヒトなど)において,翻訳停滞解消因子の詳細な機能を網羅的に研究している。特に興味深いのは,翻訳停滞解消因子の1つC12orf65タンパク質でヒトの細胞におけるその機能不全はミトコンドリア病を発症することが知られており(日本人の患者も報告されている),その治療基盤を与えるための基礎研究は重要度を増している。また,最近では酵母における抗生物質による翻訳停滞に対し,特定の翻訳停滞解消因子が解消していることを明らかにした。これは,真菌における新規の抗生物質耐性機構の発見となった。

提供できる技術・応用分野

遺伝子工学,無細胞タンパク質合成,タンパク質精製,NMRによるタンパク質の立体構造解析,flow cytometry解析

主要な所属学会

日本分子生物学会,日本RNA学会,日本生化学会

代表的な論文 または 特許