研究KEYWORD
光化学,光機能性金属錯体,π電子化合物,エネルギー移動,時間分解発光,時間分解ESR,電子状態
研究分野
無機・錯体化学,物理化学
主な研究テーマ
- Cu(I)錯体の励起電子構造の解明と光エネルギー変換に関する研究
- 金属錯体をコアとした近赤外発光とその長寿命化
- 発光性共役ポリマーおよび金属錯体オリゴマーにおける励起ダイナミクス
研究概要
金属錯体やπ電子系化合物,またそれらの連結系分子における光物理化学を専門としています。光合成などの生体系の光ダイナミクスの理解や光エネルギー変換のための複合分子系の設計を目指しています。実際には時間分解分光測定と共に分子の設計・合成を行っています。例えば,Cu(I)を用いた錯体では,光励起により可視部の電荷移動励起状態から発光し光エネルギー変換材料素子として有望ですが,励起状態で分子の変形が起こりやすくやや不安定です。そこで,どのようにしたら,発光寿命が延び安定な光励起状態が得られるかを,分光学的測定に基づいて研究しています。また,近赤外発光における発光の長寿命化に着目した研究を行っています。
提供できる技術・応用分野
2次元時間分解蛍光測定と解析(発光寿命,時間分解蛍光スペクトル),電子スピン共鳴(ESR)測定(ラジカル検出)
主要な所属学会
日本化学会,光化学協会,錯体化学会,電子スピンサイエンス学会,分子科学会
代表的な論文 または 特許
- “Observation of Intramolecular Interaction in Fluorescent Star-Shaped Polymers: Evidence for Energy Hopping between Branch Chains “,J. Phys. Chem. B, 124 (50), 11510-11518 (2020). [http://dx.doi.org/10.1021/acs.jpcb.0c09613]
- “Interaction between the End Group and the Main Chain of Conjugated Polymers by Time-resolved EPR and Fluorescence Spectroscopy”,Mol. Phys., 117 (19), 2664-2672 (2019). [doi.org/10.1080/00268976.2018.1510140]
- Visualization of Nonemissive Triplet Species of Zn(II) Porphyrins through Cu(II) Porphyrin Emission via the Reservoir Mechanism in a Porphyrin Macroring”,Photochem. Photobiol. Sci., 17, 883-888 (2018). [10.1039/C8PP00210J]